愛が暮らしになればいい

 

GWちょっと前くらいからまた働いている。

働く前は忘れていたのだけど、働くとびっくりするくらい自分のための時間が失われる。初出勤日までに働きはじめたら絶対にできないことをしようと平日の空いている美術館に行ったり、映画を観に行ったり、昼寝をしたりしたけど、そのとき覚悟していたより全然ない。特にわたしの働いている会社ははじまりが遅いぶん、帰るのも遅いかつ業界的な残業がなかなかあるので平日夜の時間は帰宅行水就寝を行うのみになる。まだ研修だから夜八時きっかりに帰っているが、今後はおそらく良くて九時、平均十一時、遅くて終電の生活だろう。

 

そんなふうに生活をないがしろにしていいはずがないと、ずっとずっと思っている。仕事のために人間があるのではない。人間がまずはじめにあり、仕事が生まれるのだ。お前らがデカい顔していいはずがない。わたしは美しいものをこつこつ作り、文章を書いて、本を読んで、音楽を聴いて、たまに美術館に行って、友だちとおしゃべりして、夫とおいしいものを食べて、たまに実家に帰るというのが最低限できる日々を過ごしたい。だから常に全力じゃなくて楽しむ余裕を残して働きたいと思っている。だって、仕事はずっとわたしがしてみたかった、だいすきなことなのだ。でも常に燃料を使い切るほどに続けたら嫌になるのが目に見えている。

 

だからお昼休憩はしっかり一時間とる、出来るだけ十時までには帰る。会社に自分の時間をなるべく渡さずスキルを高めてお金をもらうのがその秘訣のように思う。

 

だいすきな人と結婚して、一緒に生活して、目指していた職種で就職もできて、だからこそあとはわたしがしあわせを感じながら夫との関係や日々を維持できるか、なのだ。わたしが目指すのは生活の中にクリエイティビティが満ちているひと、自分のためにもひとのためにも、少しだけかわいく、おもしろおかしく過ごす工夫を忘れないひとなのだ。