清き一票

 

参議院の投票があったので、自分が公約を掲げるのであればこんなふうにするのになぁ、というのを考えてみた。ぜんぜん政治や経済に詳しくないので、それを踏まえて読んでくれるとうれしい。
 
■わたしについて
わたしはお金持ちでは全然なく、収入はとても少ない。四大を一度出ているが今も学生だ。実家に住んでいて、一人暮らしをした経験はない。特別に思っている神様もいない(神様はいると思う)。生物学的には女性で、性自認も女性のストレート(でもこれから先、同性をすきになるかもしれない)だ。未婚。子どもを産んだ経験はない。持病も重いものはなにもない。この国の平均からすると若く、現状の国の体制ではあまり社会保障の恩恵を受けない立場であると思う。
 
■基本方針
わたしの日々のマニフェストは「学習・発見・着想」なのだけど、このみっつはこころの余裕がないと出来ない。仕事が朝の七時から夜の十時まであって、寝不足で毎日クタクタだと、絶対にできない。むだで楽しいことを詰めこめる隙間をあらかじめ確保する必要があるのだ。そしてこころの余裕は「時間・お金・健康」が土台になっている。わたしが政治家になった暁には、この国の制度で「時間・お金・健康」をきちんと守れる生活を国民に保障する。
さて、社会人生活をする中で、大部分を占めているのは下記になると思う
  時間:働く時間(通勤時間、勤務時間、残業)
  お金:食費、光熱費、家賃、医療費、税(その他、学費、ローン等)
また、フィジカル的な健康には食事、運動、睡眠と、それができる時間とお金が必要だと考える。心の健康には色々なものがあるので今は考慮に入れません。
 
■お金
①消費税は二十パーセントまであげるけど、社会人にはベーシックインカムを毎月二十万円配る。もっとお金が欲しいひとはすきなだけ働く
消費税は上がるけどその代わり、食べたり壁と屋根がある場所で寝たりするために必要な経費はできるだけ国が保障。
②一定額の医療費、義務教育は無料
健康と生きるのに必要な最低限の知識を保障。
③その後の教育には国家の奨学金を付与、または無利子で貸与する制度が充実している
勉強したいときに勉強するのってめちゃくちゃたのしいし、世界の偉人が残したすんげー知識を知らずに死ぬの勿体なさすぎる。お金や年齢を理由に知りたい気持ちを殺すの、めちゃくちゃもったいない〜
④基本的に在宅勤務
いつか絶対に死ぬのに、家族や友だち、恋人、自分の子どもと一緒にいる時間を削るの意味がわからない。その時間が実際に働く時間じゃなくて会社に行くための時間なのもマジで意味がわからないので。というか通勤時間はなるべく短くしたいけど都内の家賃高すぎるし働くためにめちゃくちゃ金払うの不思議現象すぎんか?まほう?
 
■学び
①こどもの教育課程にはもっとディベートの機会を設ける
お互い意見が違うだけなのに、意見を交換する行為を喧嘩や批判のように捉えるのもったいないので。
セクシュアリティについてや性教育を充実させる
性行為とか、性病とか、避妊とか、隠すからいやらしいみたいになってるけど、別にいやらしいものではない。誰でもやってるしそのおかげであんたも生まれてきてるから、安心してほしい。
③哲学を学ぶ機会を設ける
そもそもあるものはどう捉えられるのか、その考えをどう発展させるのかという系譜を学んでおきたかったなと思う。
④大学や高校を卒業したら、すぐに就職しない。いろんな職種を選んで試してみる期間を設ける
これはマジで推したい公約。世の中にほっといてもらって思い思いのことする時間つくったほうがおもしろいひとどんどん増える。一年間ラブホに宿泊し続けるとか、街のカラスを観察してみるとか、何の役にも立たないことやってても生きていかれるようにする。
みんなだいたいおんなじようなシナリオの人生送ってるの、こわくない?あと、新卒採用で働いたことないのに「理想の社会人像」とか「十年後のキャリア」とか聞かれてもわからん、やめろ
 
■愛しかた
①成人は三等親以外、どんな国籍、性別、年齢の人と結婚してもいい
誰もが愛しちゃったひとと一緒にいてほしい
②結婚しても、名字を変えなくてもいい
結婚しても苗字変えなくてよくない?家父長制めんどいからやめる
でも、わたしは結婚という制度には共有財産の管理という意味があると考えます。愛しちゃったひととのお家やお金や子どもを守るため、ガンガン結婚したらいいと思う。
 
■その他
①墓制度廃止、樹木葬や散骨にする
土地を割いて死んだひと専用の石置いとくの不思議すぎる
②オフィス(在宅勤務のため)や墓地を廃止して余った土地は全部農業とか産業系に充てる
地産地消したいし、緑でいっぱいにしたいよね
③ファックスは廃止
ファックスがなぜ今現在も地球に存在しているのか?
④国家的にFSC認証やヴィーガン動物実験なし)のプロダクトを推奨していく
このような認定マークのついたプロダクトをコンビニに常に置いておくとか、学校や市役所、公的施設はもちろん、民間経営の居酒屋とかのトイレットペーパーはFSC認定にするとか。その店舗に援助資金が渡されるとかね、生活環境にそういうものが自然に存在する状況を国をあげて作ります。
⑤ストロー・ビニール袋を廃止し、過剰包装の根絶や量り売りを推奨
ほかの生き物に迷惑かけないように慎ましく生きていきたいよね、生命全員でラブピだよ
 
どうですか、みなさん投票してくれますか。
わたしが本当に嫌だなあと思ったのは、歳をとるという生き物が避けて通れない事実が、国の仕組みのライトが当たることでとても嫌なもののように見えているということ。つまり、この先あまり希望が持てない額のお給料で七十歳まで働いて、そこから先も年金がもらえる見込みがないってこと。一ヶ月のほとんどを豆腐ともやし食って、ユニクロのTシャツとフリースを年中着て、タブレットでネットフリックス見るみたいな老後を楽しみにできる人がいるなら教えて欲しい。
そして現時点で国の税金の大部分は高齢者向けの社会保障に使われていて、その財源は現在働いているわたしたち世代の人間が納めた税金。わたしがもし高齢者だったなら、自分は社会のお荷物であると感じてしまうと思う。年金制度周辺の怒りはもちろんその制度に向けてのものだというのはわかっているが、どうしても年金が流れつく先にいる高齢者が責められていると感じてしまう。人間が作ったルールのせいで、自分が生きていること自体を責められたり、はやめに死んじゃいたいなんて思うようなのは本当にアホくさい。老後のために2000万円貯めときなさいよ、というニュースが流れたときの反応が「安楽死を合法にして欲しい」だったのが、ほんとうにほんとうに悲しくってやりきれなかった。自分たちでつくったルールを守るために死にたい、っていうのは、そういうお笑いなのでしょうか?
 
わたしは今年の五月に二十五歳になった。この年齢は、下手すると高校生くらいまでのわたしが想像していた大人だ。大人になれば経済や政治のこと、いまこの世界でなにが起こっているのか、自然にわかるようになるだろうと考えていた。しかし実際のわたしは、生まれたときからついこのあいだの自分までのよいところや悪いところを、とっておいたり削ったりして出来ている。なので当然、政治はいまだによくわからないままだ 詳しく言うと、その政党はどういう考えの人間の集まりなのか、その公約が達成される(ほとんど達成されないものだと考えている時点で絶望)となにが起こるのか、今回だと憲法が改正されるとなにが起こるのか、などが全然わからない。調べろよって話ですが、みなさんはどのように調べているのでしょうか 。大学のときに教わったマッキントッシュの広告の話を思い出す。マッキントッシュはパソコンがあると生活がどう変わるか、このパソコンでできることはなにかを宣伝することで一般にパソコンの販売を浸透させたというものだ。結局、わたしは人間や人間が生み出す生活、文化にしか興味がなく、それを大切してくれるひとにこの国の運営をしてほしいと思うが、それが誰なのかわからないし、そのような状態にするために必要なことの想像がつかない。なので今回、公約を考えてみた。おもしろい公約案があるひとは是非教えてほしい。