プランB

 

ほんとうはこのように生きてみたい、ほんとうはこうすることもできたはずだ、というプランBを提示し非現実に浸る隙をつくってくれるのがアニメだ、というのを宮崎駿のインタビュー集で読んだ。それからというものプランBについてぼんやり考えることが続いており、そもそもこのプランBは不透明度10%くらいの薄さで日常に敷かれているぼんやりした妄想だというのにも気づいた。

 

わたしのプランBは、手づくりの生活だ。家はもともと家族が持っていた土地に建っていて自分で改装したおうち。田舎で美しい場所。川か海が近くにあるといいなあ。窓が大きい家にしたくって、建築家のひとと相談してつくったおうちだから日当たりばっちり。仕事はフリーのデザイナーで月収は月20万円に満たないけど、必要経費は月10万円も行かない。近所の人と野菜を分け合ったり。

朝ははやく起きて庭の面倒を見て野菜を収穫して、それでご飯を食べて、食器も手作りや人にもらったものを使っている。割れたら金継ぎ。犬のごはんも用意する。家族の写真や友だちの絵、子どものはじめて書いた文字が飾ってある。テーブルももしかしたら自分でやすりをかけてつくる。椅子も。誰かがつくったものをもらってもいい。イームスやらミッドセンチュリーのビンテージ家具と自分で作ったものやもらったものが混ざりあってる。お洋服やなんかは買ってもいいかもしれないけど(わたしはたぶん洋裁だめです)、ビーズを組み合わせてブレスレットをつくったりするのもいいなあ。お菓子を作ったりもする。というか自分で作ったほうが安いのでそうする。最近はプリンに凝っている。プランAの今より文章を書く。ブログをしこしこひとりで更新している。エッセイとか小説とかまた書きたいなあ、読書会に定期的に参加したり。もちろんデザインもやる。カレンダーをつくったり、友だちとクリスマスにポスター作って交換したりもっと遊びながらつくる。

 

生活にひとの気配ができるだけした方がおもしろいと思ってるのかもしれない。そのひとの考え方とか、癖とかが見えた部屋のほうがおもしろい。あとはずっと海の近くに住みたいなと思っている。地元が鎌倉のひとの海のそばの子ども時代に憧れがある。京都の大学生にもすごく憧れたし水のそばで暮らしたいのかもしれない。ていうかプランBで京都精華大にいくのもありです。